「麗を黒龍に戻して欲しいんだ」


口を開いたのは白龍幹部の小さな男。


「…意味分かんないよ…、

 俺たちは麗にとって
 関係ない存在なんじゃないのかよ…」


頭を抱える浩貴。


「麗さんは
 黒龍に戻りたがってるんですか?

 …麗さんが
 黒龍に戻りたいって、
 そう言ったんですか?」


竜聖の言葉に俯いた白龍幹部の代わりに


「…今は、
 麗を黒龍に戻して欲しいとしか言えません。

 麗のためなら何でも協力します。
 …だから、…


 …お願いします、
 麗を助けて下さい。
 黒龍に戻してあげて下さい」


白龍副総長がさっきよりも深く、
頭を下げる。

それに続けて白龍幹部も頭を下げると、


「…っ、お願い、します…」


ぽた、ぽたと涙を流す。