涙が出そうになるのをグッと堪えて
あたしはまた話し始める。

「…あたしは、
 お父さんを殺した鬼神組を許せない、
 許さないよ。

 だから、今ここに居る。

 お父さんの仇を撃つために、
 ここに居る。


 …だけど、それと同時に
 崎沢から黒龍や獣牙を守るためでもあって…」


ここまで話すと
我慢していた涙がぶわっと溢れ出す。


「…っ、ごめん…。

 本当は、今すぐにでも黒龍に戻りたいっ…、

 悠さん、竜聖、浩貴、智貴、
 駿、遥、優真、隼人…、

 みんなに会いたいよ………」


悲しさ、苦しさ、
悔しさ、淋しさ、申し訳なさ、

そして愛しさ、


たくさんの感情が一斉にあたしを襲う。


その感情が涙となって溢れ出すあたしに
ふたりはまた

ただただ、隣に居てくれた。