大切だった、 守りたかった、 竜聖や駿、遥たちに 合わす顔がないあたしは もちろん学校には行かず、 今日もこうして 白龍倉庫に来ていた。 「おはよう、伊織」 笑顔を向ければ 「おはよう」 同じように笑顔を返してくれる。 そんなことが 当たり前になり、 今では 白色の小指を見るたびに 自然と頬が緩む。