「…」



白龍、
いや鬼神組に来てから今日まで


一切崎沢から連絡がなかったため
そろそろだろうなとは
思っていたが



「…今日か…、」




こんなにも
何の前触れもなく
その日が訪れるとは
思っていなかった。





あたしは立ち上がり、
無駄に大きいクローゼットの中から
もともと用意してあったものではなく

自分が持ってきた服を
手に取る。



季節はまだ夏。


黒龍に居た時は
女だとバレないために、

パーカーにスキニーという
格好しかしてなかったため







「…寒いな…っ、…」




半袖に手を通すと
なぜかすごく寒く感じる。





…そんなんじゃなくて、

ただ、ただ、
みんなに会えない悲しみと
辛さがあたしを襲う。