…−−−


目の前にあるのは
半年前まで毎日のように足を運んでいた
黒龍倉庫。

大切な場所、だった。


外観は何も変わっていないのに
こんなにも騒がしい倉庫は初めてで
早く助けに行かないと、と
頭で急かす声がする。

それなのに、一歩が踏み出せない。


ドクンとわざとらしく波打つ心臓、
熱くなる目頭、
上手く息ができなくなる。




あたしが行って何ができるんだろう、

助けられないかもしれない、


…あたしの顔なんて見たくないかもしれない。



裏切ったのは紛れもなくあたしなのに、
今更助けに行ったって迷惑なだけかもしれない。



考えれば考えるほど、足が動かなくなる。