壁際にいた相模と居場所を変わる
変に心配性なんだ?
残り2駅というところで頭がグラグラしだした
とりあえず壁に寄りかかってゆっくり目を閉じる
…大丈夫。大丈夫。
そう頭の中で唱えた
「……佐月、大丈夫か」
ざわついた音に目を開くと相模と周りの乗客に支えられていた
「あ、れ」
どうやら倒れたらしい。
「次の駅で降りる」
そう言って駅に着くとあたしを抱えて
周りにお礼を言いながら降りた
「ちょっと座ってろ」
ベンチに座らせられると相模は離れた
どこ行ったんだろ、なんて思いつつ頭はうまく回らない。
「ほら」
そう言って渡されたのは自販機のココア
あたしがココア好きって言ったのを覚えてたのかな
「学校、連絡しといた」
「……ごめん、ありがと」
そういってココアの缶を開けた。
そこからしばらく、お互い沈黙のまま電車をいくつか見逃して。
「も、平気」
「そーか?」
確かめるようにあたしの頬を手で包む
「ちょ、な、なに…!」
「大丈夫そうだな。んじゃ、いくか」
すっとあたしのかばんも持ってくれる
なによ、相模のくせに…

