ホストの憂鬱

しばらくして愛ちゃんはキッチンからマグカップを二つ持ち、それをテーブルに置いた。

「砂糖いれる?」

「うん」

愛ちゃんはそれを聞いて砂糖を入れた。

そして一口、コーヒーを飲むと言った。

「もう、昨日は大変だったんだから」

俺は何をしたんだろう?

「俺、愛ちゃんに悪い事した?」と尋ねた。

「したわ」

俺は心臓がとまるかと思うくらいにドッキと、して体が硬直してしまった。

それを見た愛ちゃんが、アハハと、笑った。

「本当に大変だったのよ、キョンは潰れて起きないし、寝たまま吐こうとするから、そのたんびにひきづってトイレに連れて行ったんだから」

「それで?」

「後はスーツがよれよれにならないようにぬがして寝たわ」

「それだけ?」

と、尋ねると愛ちゃんはニヤリと笑みを浮かべて、「それだけよ」と言った。