ホストの憂鬱

トラッシュのマスターはテンタングラスでなく、ロクタングラスに焼酎を作った。

「ぼくもいただいていいかな?」

「はい」

それを聞くと、すばやく三つの焼酎を用意をした。

三人同時に乾杯したところでマスターが言った。

「飲み屋の乾杯は一気だよ」

そういうとマスターは先に一気で飲み干した。

俺も酔っていたため、ちょっとした挑発に乗ってしまい、一気に飲みほした。

店でいっぱい飲んできたはずなのに、うまいと思った。

「うまいだろ?仕事だときがはってるからね。だからうちの店は、仕事が終わった同業者が多いんだよ」

「そうなんですか。でも何時頃までやってるんですか?」

俺は同業者相手と聞いて営業時間が気になったのだった。

ムーンでさえ、普通なら朝の七時頃までやっているのだから。

トラッシュのマスターは平然とした顔で言った。

「週末は昼近くまでやってるよ」っと。