ホストの憂鬱

この日の営業は朝の五時で終了した。いつもより、かなり早い時間だった。

多分、ロビンさんが明日にそなえての事だろうと思う。

俺はるみがタクシーに乗るのをみとどけ、店に戻った。

愛ちゃんはカウンターに座り、一人で俺を待っていた。

ロビンさん達はミーティングでもあるかのようにボックスに集まっている。

俺は愛ちゃんに外で待ってもらうように言うつもりだったけど、ロビンさんが先に言った。

「キョンはいいよ。愛ちゃんとアフターに行っておいで」

「はい」

「避妊はしろよ」と、ガクさんがちゃかして言った。

「そんなんじゃないですよ」と、俺は顔を赤くして言った。

愛ちゃんの顔も赤くなっていた。

俺は愛ちゃんの手をとり、みんなに「お疲れ様でした」と、言うと、店を後にした。

店をでるまでガクさんはにやにやと俺達を見つめていたけど。