僕のとなりで。

2人の姿が見えた。

『どうだった?』

『結果が出るまで、少し時間掛かるから、ココで待っててって…。』

アサミがイスに崩れるように座る。

『アサミ、大丈夫?何か飲む?落ち着くかもよ?』

首を振るアサミ。

『ユウくんも、座って。ね?』

2人に笑顔で話し掛けるサヤカ。

それを見るだけの僕。
何も言えない。情けない…。

『ごめんね。』

ユウがアサミに謝る。

アサミは、何も答えない。

4人とも何も言わないまま時間が流れた。



しばらくすると、係の人がユウを呼ぶ。

ユウが静かに立ち上がり向かった。

ユウが中に入ったのは、ほんの数分だったんだろうけど、凄く長く感じた。

『アサミちゃん!俺、感染してなかった!だから、アサミちゃんも、きっと大丈夫だよ!』

さっきまでがウソのように、晴れやかな表情で戻ってくる。

ユウとすれ違いでアサミが呼ばれ、中に入る。

隣に座ったユウは、笑顔が見えるほど元気で、僕も全身の力が抜けていた。でも、サヤカの表情は変わらなくて、アサミを待つ間、ずっと祈っているようだった。