僕のとなりで。

サヤカはスゴイ。

僕は、落ち込むユウに何を言ってあげられたのか覚えてない。むしろ、自分まで弱気になってしまった。

『サヤカさん…。』

サヤカに話し掛けようと、サヤカに目を向ける。

震えてる…。

『ねぇ、大丈夫だよね?アサミは、今まで付き合ってない人とやったりなんてしなかった。今回が初めてなのに、こんなことになるなんて…。ユウくんだって、絶対怖いよね。自分のこともあるのにアサミのことまで。2人とも、大丈夫かな…。あたしが代わってあげたい。』

そう言って、必死で涙をこらえているように見えた。

『大丈夫だって、信じてんでしょ?だったら大丈夫だよ。』

月並みな言葉しか言えない。

『ありがとう。そうだよ、大丈夫。大丈夫。』

そう言いながらも、震えが止まらないサヤカの手を、そっと握った。

『ちょっと落ち着く。ありがとう。』

僕達は、手をつないだまま、2人の帰りを待った。

僕もサヤカの手の温度を感じ、落ち着いていられた。