私は声に反応して、妄想をかきけした。
目の前の留奈さんに力強く頷いてみせる。

「留奈さんっ!
留奈さんのヒントのお陰で、ゆかりさんの可能性は無限大ですっ!」

ぐっと拳を握ったところでやれやれ、と肩をすくめながら笑われた。

「……どっからツッコんだらいーのか、分かる人がいたら教えて欲しいわね~。

今日のさくらちゃんの暴走妄想はなかなかの見ものねっ」

ハガキ一枚でお母さんに怒られた。
ハガキ一枚で不審者に間違われてないかとヒヤヒヤした。

ハガキ一枚で秋中さんの名前を知れた。
ハガキ一枚で秋中さんの知り合いにゆかりさんて人がいることを知った。

ハガキ一枚でぐるぐる妄想が広がりまくった。

「ハガキ、侮れない……」

「そのようね~」