お向かいさんに恋をして

「おばぁちゃん、来たわよ~!」

「え、ここって……」

大丈夫だから、と意気揚々と先導する留奈さんについてきた私たち。
着いた場所は、思いがけない場所だった。

「おや留奈ちゃん、遅かったじゃないかぇ」

「ごめんごめん。
コンビニでさ、何買おうか迷っちゃって。
はいこれ、おばあちゃんの!」

留奈さんはさっさと玄関を上がると、コンビニの袋からもなかアイスを出して、おばあさんに渡した。

「ばあさんの好きなもん、覚えとってくれたんか~。
嬉しいのぉ、ありがとうよ」

「あの、留奈さん………?」

「二人共、どうしたの?
そんなとこにつっ立ってないで、上がりなって」

「遠慮せんでほれ、2人もどうぞどうぞ」

にっこりと微笑むおばあさんに、私も秋中さんも、ためらいながらも上がることにした。