お向かいさんに恋をして

「お前が来ると絶対盛り上がるから!」

「俺らのために参加してくれ!」

「男紹介しろって、向こうがうるさくてさ、お前紹介したいから!」

とか何とか言って。
先輩方の魂胆がまるわかりなお誘いだ。

「人と約束があるのでちょっと……」

と断りながら揉めていたところに、丁度私達が通りかかったそうだ。

イケメンって大変なんだな~と、私と留奈さんはひっそり思った。

「通りかかっただけなのに、君たちを利用してしまって、ごめんよ。
僕、大人なのにしっかり断れなくて恥ずかしいよね」

「いえ、そんなことないです1
困ったらいつでも口実に使ってください!」

勢い良く言う私に、二人とも苦笑いを浮かべた。

「そうだ、波江さん、もうお友達出来たんだね?」

良かったねぇ、と秋中さんが笑顔を浮かべた。

「あ、はい! 
お隣の、竹井留奈さんです!」