お向かいさんに恋をして

「ん~? あらちくん、ぱーりぃに参加かぁ?」

にへらっと笑った留奈さんの背中をさすりつつ、きなこちゃんは安達くんを睨んだ。

「ちょっと留奈さん、安達に構わないでいいからっ!

ってか安達、女子会にずかずか乗り込むとはっ! しかもちゃっかりさくらちゃんの隣に座るとはっ! 許さんっ!」

「あーはいはい。
で? 何のぱーりぃだよ?」

安達くんは二人の様子を気にすることなく普通に話しかけている。

喉が乾いたのか、テーブルの上にあったドリンクを手に、口にしながら。

って、あ、それ私の烏龍茶……。

「ん? さくら、どうした?」

「あ、べ、別に何でも?
あ、あはは、留奈さんったら酔っちゃって、ねぇ? 大変……」

私は一瞬見つめてしまった彼の手元から、再び視線を逸らした。