お向かいさんに恋をして

「わたしだって！ わたしだって、もっと真剣にさくらちゃんの恋を応援するべきだったっ！

時々茶化したりふざけたりして、ちゃんと応援、出来てなかった！」

何か言いたげな留奈さんの言葉を遮るように、きなこちゃんまでそんなことを言い出した。

「いやいや。二人とも充分応援してくれたし、私の方こそ臆病で二人の応援に答えられなくて……」

「さくらはんはがんばったら～……。
あたし、あたしがもっと……」

「さくらちゃん！ ほんとにほんとにごめんっ！……わたしっ……」

「や、やだなぁ、私の方こそ……」

なにこれ？ なんだかグダグダで、三人で謝りあっている謎なこの構図。

失恋が悲しいんだか、二人の真剣な想いが嬉しいんだか、色々混ざりあったよく分からない感情に陥った。

うん……。私の失恋はカオスな現状を産み出したとしまったみたいだってことは分かった。