乾杯をして、お箸を手にする。
留奈さんが色々見繕ってくれていたらしく、テーブルには美味しそうな食べ物が色々と並べられている。

「わぁっ! 居酒屋って感じっ!
おつまみって感じっ!」

「ね~!」

きゃっきゃとはしゃぐ私達を、留奈さんは優しく見つめている。

一通りはしゃいだり料理を取り分けたりしたあと、大きくため息をついたのはきなこちゃん。

「それにしても……。はぁ……。
さくらちゃんの素敵な想いが、こんな形で、ねぇ……」

「は、はは……」

何て言って良いのか分からなくて、曖昧に笑ってごまかす。

思いっきり泣いたからか、一人じゃないからか、思ったより傷は浅い。

それでも勿論、傷が無いわけではない。