お向かいさんに恋をして

「今日も本当にごめんなさい……!

きなこちゃんはカップルコンテストの結果発表も、沢山ゲットした無料券使うのも楽しみにしてたのにっ……!

留奈さんだって、折角、美奈さんのお手伝いとして参加した文化祭だったのにっ……!」

二人にそれぞれ頭を下げた。すると、両側から気遣うように優しく、肩に手をかけられた。

「あたし達は良いのよ? 気にしてないわ! さくらちゃん最優先だし、参加っていっても、ちょこっとしか手伝ってないし。全然問題ないわ! ね? きなこちゃん!」

「もっちろん! 文化祭より無料券より、真っ先に友達のことだよ! 気にすることないんだからねっ!

無料券は、きっと安達と日野さんが代わりに無駄なく使ってくれてるよ!」

「そうね、あははっ!」

二人の明るい笑い声に、少しだけ、気持ちが楽になった。