お向かいさんに恋をして

「あ、留奈いたっ!
手伝ってくれたお礼だって差し入れが……って、どうかした?」

「あ、お姉ちゃん」

目の前には紙袋を手にした美奈さんと、未だ私の様子を気にしている二人の姿。

……あ!美奈さんならもしかしてっ……!

「み、美奈さん!」

がしっと勢い良く美奈さんの片手を両手で握ると、美奈さんだけじゃなく、他の皆も驚いた表情になった。

「秋中さん、お知り合いなんですよねっ?!」

「え? えぇまぁ、仕事の関係で……」

そんなに詳しい訳でもないけど……。

戸惑った様子の美奈さん。

「ゆかりさんって女性、ご存知ですか?!」

「ゆかりさん?」

美奈さんは首を傾げた。
……仕事関係のちょっとした知り合いが、プライバシーまだ知るわけないか。

「すみません、なんでも無いです」

急に何しちゃってるんだろ、私。
美奈さんの手を離した。