お向かいさんに恋をして

留奈さんの瞳が、面白いおもちゃを見つけたとでも言うようにキラキラと光って私に向けられた。

「あ、え？　違いますよ？　
だって留奈さんだって……！」

ドギマギ答える私に、留奈さんはケラケラと笑う。

「あたしのは冗談よー？
イケメンは目の保養にいーけど、ラブラブな彼氏いるし！」

真っ赤になったほっぺたを、ツンツンとつつかれる。

「さくらちゃんったら、恋しちゃったの？
一目惚れってやつ？」

「あ、え、あ、はい……多分……」

恥ずかしくなって俯く私のほっぺたをなおもつつき続ける留奈さんは、私をどうしたいんだろう……？

「可愛いなぁ、真っ赤になっちゃって」

笑っている。
……どうしたいも何も、楽しんでいるようだ。

「さくらちゃん、引越し早々出会っちゃったんだねぇ」

「あ、え、はい……。
出会っちゃいました……」

私は恥ずかしすぎて俯いたまま、涙目になった。