「ところで安達、一人で来たの?
寂しいわねぇ」

きなこちゃんが安達君の脇腹を小突きながら軽口を叩いた。

安達君はムッとした表情を浮かべながらも言葉を返した、

「まさか。ツレがいるに決まってんだろ」

「へぇ! どこに~?」

きなこちゃんの軽口は止まらない。

「屋台並んでたらあいつ並ぶのに飽きて、列抜けてどっか行きやがったんだよ。バカきなこ、一緒に探せ」

「え~。さくらちゃん、どうする?」

軽口を叩きながらも、安達君のお願いを聞こうかと、私に尋ねるきなこちゃんに笑みが溢れた。

何だかんだと仲良いなぁ。

「私は全然いいよっ!」

もしかしたら、一緒に人探ししてる間に二人の仲が深まるかもっ!
私はウキウキと答えた。

「さくらちゃん、なんで人探しに張り切ってるの?」

二人は首を傾げている。