「よー。拓夜」

「あ、兄貴」

えっ……。

「な、なんだぁ……。
安達君の弟さんかぁ」

私はほっと胸を撫で下ろした。
すると彼は少しムッとした表情を浮かべた。

「初対面で、なんだとは失礼だな。
あ、そうだ、あんたさっきたこ焼きとお茶買ってった人じゃん」

なんかジーっと見てんな? って思ったから覚えてた。と付け加えられ、私は何だか恥ずかしく、申し訳ない気持ちになってしまった。

「ご、ごめんなさい。
ジーっと見たり、なんだって言っちゃったり……」

慌てて謝ると、手をぱたぱた振られた。

「あはは、あんた真面目なんだな。
別に怒ってないし、兄貴と間違われることはよくあることだし、気にしてない」

彼はたこ焼きをひっくり返しながら、目を細めて笑った。

わ、笑った顔まで似てる……。
瓜二つ……。