「こっちにも安達君、あっちにも安達く君……!」

ま、まさか都市伝説的な?
私今、不思議現象に遭遇してる……?
ど、どうしよう……?

「ん~? 何言ってんだ、さくら」

「どしたの?」

オロオロする私を、目の前の二人が不思議そうな顔で見つめる。

震える指で目の前の安達君と他人行儀な安達君を交互に差す。

「安達君が二人……!」

キョトンとたこ焼き屋さんに目をやった二人は、ワンテンポ置いて大爆笑だ。

「あっはは、さくらちゃんったらっ!
何か勘違いしてるって!」

「ま、まぁ安達が二人で間違いないけどなっ。ははっ」

ぽかんとしている私の前でひとしきり笑った二人は、「じゃ、確認するか」とたこ焼き屋さんに向かって歩き出した。

「ほら、さくらちゃんも」

「あ、う、うん」

私は慌てて二人を追いかけた。