お向かいさんに恋をして

留奈さんを送り出した私は、夕食の支度をすることにした。

まだ片付けも済んでいないし必要なものも揃ってはいないけど、とりあえず簡単な料理を作れるだけの用意は昨日のうちにしておいた。

でも、まだ買い物に出かけていないから材料がない。

最寄りのスーパーで材料を買い込み、部屋に戻って和風きのこパスタを作った。
私がよく作る料理の一つだ。

「いただきます」

一人で夕飯を食べることなんて、実家では滅多になかった。
お母さんは専業主婦だし、お父さんもほとんど定時に帰って来てたし。
おばあちゃんもいるしね。

新鮮だけど、ちょっと淋しいな。

昨日はあんまり寝てないし、今日は手続きで疲れたからシャワーを浴びてさっさと寝ることにした。

布団の中で、秋中さんの笑顔を思い出す。

まだお仕事なのかな。
それとも帰って来たのかな……。

気がつくと私、秋中さんのこと考えちゃってる。