特にやることのない私は、そんな二人越しに秋中さんの部屋をちらりと見やる。

あんまりじろじろ見たら悪いけど、少しくらいなら……。

ちらりと伺った秋中さんの部屋は、モノトーンでまとめられて、荷物も少なくスッキリしていた。

「秋中さん、部屋綺麗にしてるな」

「日野、見習え」

「竹井お前、俺の部屋見たことないだろがっ!
俺だって部屋綺麗にしてるよっ! 
……そこそこ」

「そこそこねぇ……」

「て言うか俺の部屋よりお前の部屋が荒れてそうだよな」

「なんでよっ?!
あんただってあたしの部屋見たことないでしょっ」

「大雑把な性格」

二人は秋中さんをベットに寝かせ、何やら言い合いながら戻ってきた。

おばあさんは鍵をかけ「皆、ありがとうの」とお礼を言って帰って行った。