拓人side

ー絶対言わないでよ!ー

「おいっ!」

そう言い残しアイツは走って行ってしまった。

逃げられた…

はぁ〜…クソッ…もっと話したかった

なんて思っている自分がいた。

初めてだった…あの気持ち…胸の奥が苦しくなって…

ずって見ていたい…そんな気持ちだった

すると

「おーい!拓人ー」

将輝が屋上に上がってきた。

うるさい奴がきた…

「なんだよーそんなに嫌な顔しなくてもいいだろ〜!」

「なぁ…将輝…」

「何だよ?」

「俺…もしかして…いややっぱなんでもねぇや」

「なんでもねぇのかよ!つまんね〜」

「確信がついたら話すよ…」

「ん〜?なんか言ったか?」

「別に…」

もしかしたら俺アイツに…

東堂ちいに…

惚れたかもしれねぇな…

ー次の日ー


昨日は眠れなかった。

ずっと東堂ちいのことを考えていたからだ。

でも今更になって眠気がおそってきてすごくイライラしていた。

ガラッと教室とドアをあける。

そこには1人で窓をぼーっと見上げてイスに座ってる東堂がいた。

「東堂。おはよ。」

東堂としゃべりたくて俺は話しかけた。

「……」

無視かよ何気ショックだわ…

「おい!無視すんなよ」

「チッ」

舌打ちかよ。まぁーいいや

「拓人おはよー話あんだけど」

「はよ。どーした?」

「おれ告られた!けっこうかわいいこだよ」

「へぇー返事どうした?」

「また今度にした」

「早めに返事してやれよ!?」

「おぅ!…何か今日のお前優しくね?」

「別に…いつも通りだし」

「本当かぁ〜?」

うたがってんのか!?信じろや!

「それよりさお前さっきから何でアイツのこと見てるわけ?」

「はぁ?」

アイツって誰だよ…

「誰のことだよ…」

「アレだよ!東堂ちいだよ!お前さっきからずっと東堂ちいのことみてるぞ!

「えっ!?」

そうだったのか…?全然わからなかった…

俺いつの間にかあいつのことを見てたのか…

「何何〜?なんか気になるわけ〜?あのモテモテの拓人君に気になる人でもできたのかな〜?」

「………」

「えっ…?否定しないの?マジ?」

「否定っつうか…」

否定はできない。だって気になるのは事実なわけだし

「まじかーー!!おいおいおい!」

「うるせーよ!声でけぇよ!」

「えっ!いつから?」

「…昨日」

「昨日って屋上でなんかあったのかよ…あっ!?絶対なんかあっただろ!」

「お前マジうるさい…」

「だって俺が昨日お前をさがしに屋上いったら上から東堂ちいが走ってたし!」

「……マジ?」

見られたか…てかそうだよな。
確かにそのあとに将輝も屋上にきたわけだしな。

「何があったかしらねーけど拓人にも気になる奴ができたわけだ!まぁこのことは他の奴ら、特に女子達には黙っといてやるよ!昔からのダチとしてな!」

めっちゃさわやかな笑顔だな…

逆にそれがこぇーな…

「はいはい。ありがとな…」

ーガタッー

「ん?」

音のする方に目をむけると東堂ちいがたちあがってどっかにいってしまった。

あいつどこいくんだ?

俺は追いかけた。