滅びの彼方



そして…とうとう太陽が傾きかけた頃―

王は結いあげた自らの髪を解くと、迷いもなく短剣で断ち切った。


「私は海に身を投げた…とでも言っておいてください。後は貴女の好きなようにして頂いて構いません。」


断ち切られてもなお、輝く髪を私に渡し王はゆっくりと跪く。




「デヴァーデンをカナルトニキスに託します。我が国を民を…どうか忘れないで。」




デヴァーデン、最後の国王…ローレンツ=オーギュスト・イルデンは私にそう言い残し、静かにどこかへ去った。


遠ざかっていく足音。





髪を握りしめたまま…私はその背中をいつまでも、いつまでも…見つめていた。