「王は神ではない。人間だ。
勿論貴女も同じ人間だ。自ら考え意思を持て。
そうでなければ、いずれ滅びるのは君自身だ。」
「………。」
「もし、滅びの宰相と畏怖されることが貴女の望みでないのなら、貴女はまだ人らしく生きて行けるだろう。」
彼は微笑み、気づかない内に私の瞳から零れた涙を、そっと拭った。
その手はとても優しくて儚くて、掴んでいなければ消えてしまいそうで…でも、本当に消えてしまいそうなのは私の方だった。
「私は、どうすれば…これからどうすれば、」
情けなく、呪文のように繰り返す言葉。
彼はそんな私の両手をしっかりと取ると強かに目を見据えた。

