滅びの彼方


恵をもたらすものも難をもたらすのも同じ。

それが自然であろうと、人であろうと。



「…どの道時間の問題だったのかもしれません。この国が自ら滅びなくとも…ザルバ王はいずれ確実にデヴァーデンを滅ぼしたに違いない。
ザルバ王は侵略をよく好まれる。そして奪った地を民を奴隷のように扱い、軍事的に、経済的に、良くも悪くも国を成長させてきた。

貴女と言う…天才であり鬼才を、武器と盾にして。

今まで黙ってきたが、もう耐えられなかった。あの王の横暴さには…目をつむっては居られない。
民も地も無き今、この国から奪われるのは名だけだ。

…だがもはや名など要らない。民がいなければ王である必要もない。


だから…全てを失ってでも、貴女に伝えたいことがあった。」



王は静かに私を見た。


私と会うために…我が主を憤怒させたというのか。

なんと愚かで、単純な。


しかし、その真っ直ぐな瞳はまるで太陽のように輝いて。

その決意と誇りは私には眩しすぎて…酷く、心に刺さる。