「まだありますよ。」
王は鍋の中に残っているスープを指さすが、私はその問いに…今までの疑問を返した。
「…何故、憲兵の格好をしていたのですか。」
おずおずと王の瞳を見た。
「それと、いつから気が付いていたのですか…。
私が…ザルバ王の手先だという事に。」
彼は変わらず優しげな眼差しを私に返してきたが、その後すぐに視線を逸らし、目を伏せた。
「…待っていたのですよ。貴方が来ることを。」
思いがけない言葉に私は息を呑む。
「ザルバ王の性格は良く知っています。私も馬鹿じゃない。きっとすぐに貴女を寄越してくると思っていました。
…貴女を知らぬ王はいないですよ。“カナルキトニスの滅びの宰相”さん。
それに今この国に訪れる者は…本当に限られていますから…。」

