「お嬢様、樹様がいらっしゃいました。」 次の日の夕方。 「よっ!」 って言ってあたしの部屋のドアから顔を出してくれる。 「大丈夫か?」 あたしはコックリ頷く。 いっつもあたしの心配ばっかりして、自分だって右腕使えなくて大変なのに。 今日は樹くんがあたしに勉強を教えてくれるらしいのだった。