幸せはいつだってそこに

△駅に着くと以外と人が多く、教会へ行くための一本道を見つけるのに少し苦労した。
苦労して見つけた道を榛名と歩く。
純也はいつ、疲れただのお腹すいただのと言われるか身構えていたが、榛名は無言でただ先に歩く純也の後ろをついてきた。
「ここ…ですね」
ついた教会は思っていたよりも古く、壁の所々がツタに飾られていた。
「きったなぁ……」
「とりあえず行きますか…」
純也は若干錆び付いた聖堂のドアを開けた。
嫌な音が耳に響く。
聖堂の中に一歩足を踏み入れるとそこには共に20代半ばくらいの男女が立っていた。
「あ、えと、私ウェディング会社Bring your happindssの小鳥遊と申しますが、國木田さんでいらっしゃいますか?」
「はい!」
男の人の方が答えた。
少し緊張しているのか顔が地味に紅潮している。
「では、ここからは私吉良が案内させていただきます」
榛名が先ほどとは打って変わって真剣な顔で先頭に立ち歩き出した。