移動を知らされてから2日後純也は"Bring your happiness"の落ち着いた趣のドアをノックした。
予想通り"プラネット"と比べたら小さい会社だったが、外見だけで言えば会社前の掃除もしっかりされていて、ガラスの置物などにも汚れがなく、とても良い雰囲気だった。
ノックしてから数秒後、静かに開いたドアから、同い年くらいの若い女性が顔を覗かせた。
純也はなんと言っていいかわからず戸惑ってしまった。
5分くらい経ち、沈黙が破られる。
「あんた誰よ」
無表情で彼女は言い放った。
「あっ、えと、今日からここに配属になった小鳥遊です!」
「あー、なんかそんな話もあったわね。入っていいわよ」
「はい…」
冷めたそうな人だ。
純也はそう感じながら彼女の後に続き社内へ入った。
「梨花さーん、たか…なんだっけ?さん来ましたよ!」
梨花さんと呼ばれたその女性は書類から顔を上げ、純也を見た。
「あら、早かったわね。ようこそ、"Bring your happiness"へ!私は立花梨花。ここでは一応社長ってことになってるけど、普通に話しかけてくれて構わないからね」
この人は優しそうだ。
素直にそう思った。
「じゃあ、とりあえずみんなで自己紹介でもしましょうか、小鳥遊君どうぞ」
「あ、はい!小鳥遊純也です。学生の頃から広い会場とかの装飾が好きで、この職につきました。ここでみなさんと力を合わせてやっていけたらと思っています。よろしくお願いします!」
「ふふ、そんなに堅くならなくていいのよ?よろしくね。じゃあ次ハルちゃん」
先ほど冷たいと感じた女性が口を開いた。
「吉良榛名、私のことは吉良さんって呼びなさいよ?気軽にファーストネームとかあり得ないからっ」
「おいおい、吉良さんってなんだよ、マジウケる。普通に榛名でいいだろー。あ、俺真野龍平。気軽にリュウって呼んでくれ。よろしくな!」
吉良さんの自己紹介に爆笑しながら純也より少し年上くらいの無精髭を生やした男性が言った。
「ちょっと!ウケるってなによ!新入りなんだから苗字にさん付け常識でしょ⁉︎」
「ははっ、はいはい」
「はいはいってなによ、はいはいって!投げやりな態度やめなさいよね!」
2人の上手く噛み合っていない口論が始まった。
「ほらほら、そこ喧嘩しないのっ。じゃあ最後は胡桃沢君!」
もう1人?
姿が見つからず純也は社内を見回した。
「あ、はい…」
驚いて声のするほうを見ると部屋の隅のパソコンの前でデスクチェアに正座して座っているメガネ男子がいた。
「胡桃沢剣人です。僕のことはまあ空気だと思ってくださいね…よろしくお願いします…」
空気…。
思えないだろう…。逆に気になる…。
純也は陰気そうな彼から目を離し社長に向き直った。
「んー、まあ彼はああゆう子なのよ、仲良くして上げてね。よし!全員終わったわね。あとは…、あ!そうそう、小鳥遊君のデスクそこだから好きに使っていいわよっ」
社長は吉良さんの隣のデスクを指差した。
「は、はい…」
純也はどことなく不安な気持ちを抱きながら静かにデスクに着いた。
果たしてこの会社で自分は上手くやっていけるのだろうか…。
不安と期待が混ざったような気持ちだった。
予想通り"プラネット"と比べたら小さい会社だったが、外見だけで言えば会社前の掃除もしっかりされていて、ガラスの置物などにも汚れがなく、とても良い雰囲気だった。
ノックしてから数秒後、静かに開いたドアから、同い年くらいの若い女性が顔を覗かせた。
純也はなんと言っていいかわからず戸惑ってしまった。
5分くらい経ち、沈黙が破られる。
「あんた誰よ」
無表情で彼女は言い放った。
「あっ、えと、今日からここに配属になった小鳥遊です!」
「あー、なんかそんな話もあったわね。入っていいわよ」
「はい…」
冷めたそうな人だ。
純也はそう感じながら彼女の後に続き社内へ入った。
「梨花さーん、たか…なんだっけ?さん来ましたよ!」
梨花さんと呼ばれたその女性は書類から顔を上げ、純也を見た。
「あら、早かったわね。ようこそ、"Bring your happiness"へ!私は立花梨花。ここでは一応社長ってことになってるけど、普通に話しかけてくれて構わないからね」
この人は優しそうだ。
素直にそう思った。
「じゃあ、とりあえずみんなで自己紹介でもしましょうか、小鳥遊君どうぞ」
「あ、はい!小鳥遊純也です。学生の頃から広い会場とかの装飾が好きで、この職につきました。ここでみなさんと力を合わせてやっていけたらと思っています。よろしくお願いします!」
「ふふ、そんなに堅くならなくていいのよ?よろしくね。じゃあ次ハルちゃん」
先ほど冷たいと感じた女性が口を開いた。
「吉良榛名、私のことは吉良さんって呼びなさいよ?気軽にファーストネームとかあり得ないからっ」
「おいおい、吉良さんってなんだよ、マジウケる。普通に榛名でいいだろー。あ、俺真野龍平。気軽にリュウって呼んでくれ。よろしくな!」
吉良さんの自己紹介に爆笑しながら純也より少し年上くらいの無精髭を生やした男性が言った。
「ちょっと!ウケるってなによ!新入りなんだから苗字にさん付け常識でしょ⁉︎」
「ははっ、はいはい」
「はいはいってなによ、はいはいって!投げやりな態度やめなさいよね!」
2人の上手く噛み合っていない口論が始まった。
「ほらほら、そこ喧嘩しないのっ。じゃあ最後は胡桃沢君!」
もう1人?
姿が見つからず純也は社内を見回した。
「あ、はい…」
驚いて声のするほうを見ると部屋の隅のパソコンの前でデスクチェアに正座して座っているメガネ男子がいた。
「胡桃沢剣人です。僕のことはまあ空気だと思ってくださいね…よろしくお願いします…」
空気…。
思えないだろう…。逆に気になる…。
純也は陰気そうな彼から目を離し社長に向き直った。
「んー、まあ彼はああゆう子なのよ、仲良くして上げてね。よし!全員終わったわね。あとは…、あ!そうそう、小鳥遊君のデスクそこだから好きに使っていいわよっ」
社長は吉良さんの隣のデスクを指差した。
「は、はい…」
純也はどことなく不安な気持ちを抱きながら静かにデスクに着いた。
果たしてこの会社で自分は上手くやっていけるのだろうか…。
不安と期待が混ざったような気持ちだった。

