「……」 「なんで、何も言わねんだよ!! 梨子だって心配してたぞ?」 「そんなわけないじゃん。 もうあたしに構わないで。 あたし、誰も信用しないから」 自分でもこんなことがすんなり言えるとは思わなかった。 でもあたしは梨子が大好きだった。 だからその分大嫌い。 友達といる楽しさを教えてくれたのも裏切られる辛さを教えてくれたのも梨子だった。 「なんだよその言い方。」 「もう、いーじゃん。 あたしは過去に絡みがあっただけの人間。 それ以上何もないよ。」 あたしは颯人の横を通りすぎる。