私なんかが好きでもいいですか?



 そ、んな訳…ない…。


脳裏に、今までの記憶が蘇ってくる。考えただけでも、頭が痛くなって吐き気がする。嫌な記憶ばかりだ。


いきなり無視してきた友達。


こちらをちらちらと見ながら何やらひそひそと小声で話す女子たち。


筆箱を隠され、教科書やノートに落書きされ、足を引っ掛けられて笑われ。


その度に、もう友達なんて作らないと誓ったのに。


それでも私は、この言葉を聞くと、胸が張り裂けそうなくらいに嬉しくなってしまう。期待してしまう。


でも、そんな訳ない、ともう1人の自分が思い直す。地獄の日々が頭を駆け巡る。


“私なんかを、心から好きになってくれるひとなんて絶対にいるわけない。”


 思い出せ、今まで信じてきた人の裏切りの数々を。


信じたって、何も良いことなかった。


 信じたって、心休まることはなかった。


むしろ、悪いことばかりあったじゃない。


しっかりして、私…。