私なんかが好きでもいいですか?



ドンッ!


「いたっ…。」


 痛みを感じながら、今起こった出来事を理解することに励んだ。


人と、ぶつかった…?


「わぁぁああぁごごごごめんなさいっ…。」


「…ってぇな。あとうるせぇよ。」


「ご、ごめんなさ…。」


ん?この声、どこかで…?


「あれ、おめー、こないだオレのオアシスを邪魔しやがったやつじゃん?」


オ、アシス…!?


ぎゃー!よりによってまた上条麗音!?


私走って逃げちゃったから、ちょっと気まずいかも…。


「そういえば前聞けなかったけどなんであン時泣い…」


「きゃあああああ!」


こんな廊下のど真ん中で言わないでぇぇ!


この人の脳内には気まずいという言葉とデリカシーという言葉はないらしい…。


「ちょっと来てください!」


私は上条麗音の腕をぐいとひっぱ………るなんてことはできるはずもなく、


「ち、ちょっと来てくださいませんかぁ…。」


とか細く言っただけだった。