私なんかが好きでもいいですか?



 思い出したくもない光景が、否応なしにフラッシュバックする。


『やだぁ、仁香ってばきたなーい!』


『あんたっていないほうがみんな平和に暮らせると思うからぁ、うちらのためにも消えてくんなーい?』


 凶悪な笑い声。


 思い出すだけで、浮き上がりかけた気持ちはどん底に突き落とされる。


ポジティブってどうやってするんだっけ…。


分からない。


分からないよ。


「お前何言ってんの?」


 眉間にシワを寄せて彼が放った言葉。


 お前なんかの心配なんかしないのは当たり前。


 そう言われた気がした。