私なんかが好きでもいいですか?



………え、私、何した…?


気がつくと、教室中の視線が私に向けられていて。


「あ…、わ、私…。」


たまらなくなって、私は思わず逃げ出した。


廊下を走って、走って、走って…。


体中の筋肉がどうにかなりそうなくらい全力疾走した。


そして、教室より一階上の三階の突き当たりにある図書室の一番奥に駆け込み、イスに座って机に突っ伏した。


「はぁっ、はぁっ…。」


私、何して…。


ふと我に返り、自分のした事の恐ろしさに身震いする。


(どうしよう…!)


言いようのない不安と恐怖が襲ってくる。


 みんな、何て思ったんだろう。何アレ、やっぱりこの人変だなって思ったのかな?


 考え出すと止まらなくなって、ブンブンと首を振って思考を停止させようとした。


そこでハッとした。ここは、図書室だ。本を読めば、気持ちが落ち着くかも…。


その辺にあった本を取り、開いた。


…内容が頭に全く入ってこない…。


「うぅ…。」


もう一度机に突っ伏して、大きく息を吐く。