「私なんか…。」
 私の口ぐせ。

 

 親友の由奈から言わせると、私はとても『ネガティブ』らしい。

 

 でも、どうしてもそうなってしまう。自分を下にしていないと、相手に悪い気がして気が済まない。


「仁ー香!!」
「うわっ!由奈っ」
「何ボーっとしてんの?チャイム鳴ったの聞こえてる?お弁当お弁当!」


 由奈は、こんな私なんかでも親友と呼んでくれる、唯一無二の大切な存在。


「あっ、ゴメン!ほんと、ごめんね…。」
「こんなことで謝んないの!そんなことより、早くお弁当食べよーよ…。お腹へって死にそう~。」


 そう言って由奈は、早速お弁当の包みを開け始めた。


 由奈は優しい。つくづくそう思う。


 なんてったって、由奈はものすごくモテる。サラサラの長いストレートの髪を頭のてっぺんで束ね、私では絶対に似合わない、リボンなんかも似合ってしまう。パッチリの目に長いまつげ。私なんかとは大違い…。


 だから人は、なんであんな地味なのと一緒にいるの?というわけなのだ。


 ほんとにそう思う。なんで、私なんかと…。