さっきから、ずっと無言。
そんな沈黙を破ったのは橋本だった。
「あ、あのさ栗原。く、来る時さくらが帰った方から来てたけど、いいの?」
「え?」
「あ、いや、ほらっ、これ、あたしを送ってくれてるんでしょ?別にあたしは大丈夫だしっ…」
「そんなの送るに決まってんだろ。それに華原の親父が迎えに来てなかったとしても多分俺は橋本を送ってる。」
「えっ…」
ハッ、俺何言ってんだ。
「ほ、ほらっ、あいつ気強ぇーし、それに、ここから案外近いみたいだし。」
「あ、うん!そうだったね…うん…」
そう言うが、橋本はまだ何かあるらしく、シュンとしている。
「で、でも!!」
「うおっ!」
橋本はいきなり大声をあげて、俺の前に立ちはだかった。

