振り返る栗原の前に行き、あたしはバックを漁ってあるものを出した。 「あ、あげる」 「これ…」 「反対方向なのに…その…」 「んー?」 栗原はなかなか言わないあたしの顔を覗き込み、ニヤリと笑う。 「だっ、だから!」 「なんだよ。」 栗原の視線に耐えられず、ふいっと顔を反らした。 「あ、ありがと…」 「ん。」 チラッと栗原を見ると、あまり見たことのない満面の笑み。 その瞬間、胸がキュッとする。