それから、わざわざケーキを買いに行ってくれた春菜ちゃんがジュースと一緒に部屋に持ってきてくれて、あたし達はそれを食べながら他愛のない話をした。




今はあたしの家の前にいる。

「じゃあ、勉強会でな。」

「うん、送ってくれてありがとう。それと、彼方君と春菜ちゃんによろしくね。」

「おう。」

「じゃあね!」

バイバイと手を振ると、七瀬も手を振り返してくれた。


…ここなら、いいかな。

すうっと息を吸う。



「七瀬っ」

来た道を戻っていく七瀬の背に呼びかけた。

「ん?」

「好きだよ」



それだけを言って、すぐさま家に入った。



だから当然、


「あれは…反則すぎんだろ…」



なんて七瀬が言って顔を真っ赤にさせていることなんて、あたしは全く知らなかった。