「でもあれ以来、話してないんでしょ?」

「うん。だって接点ないし、今更すぎるし。それに、あっちは覚えてないって。」

「いやでも視線が…」

「はいはい、聞き飽きた。」


さくらは毎回毎回栗原があたしを見てるって言うけど、あたしが見ると栗原はたいてい寝てるか枢木と喋るかしかしてないから信じることができない。


さくらは、またむっとする。



それに、栗原はかなりモテる。


背は高いし、少し日本人離れしたハーフっぽい顔、二重の切れ長の目に、高い鼻。

女子がほっとくわけがない。

チラッと栗原を盗み見る。


…ほら、また女の子に呼ばれた。