そして、次の日。
あたしは教室のドアの前で立ち止まっていた。
…普通に入ればいいじゃない。
そうよ、普通に…普通に…
「よ。」
「ぎゃっ!!」
ポンっと誰かに肩を叩かれ、奇声を発してしまった。
「ははっ、なんつー色気のねぇー声。…おはよ、くるみ。」
そう言って、七瀬はにっこり笑った。
「う、うるさい。」
「え、返事はうるさいかよ。」
「う、うるさいからうるさいって言ったのよ。」
「…はいはい、ほら、行くぞ。」
はぁ、と溜息を吐いて七瀬は席に向かった。
…あ、呆れられた?
うるさいなんて、言わなきゃよかったかな…?
おはよって、ちゃんと言えばよかったかな…
「あ、2人ともおはよ〜」
「はよー」
先に来ていたさくらと枢木があたし達に向かって言った。

