「今日は、ありがとう!…七瀬。」 なんて、優しい声で、しかも普段しない満面の笑みでそう言うもんだから。 「…っ」 俺は柄にもなく赤面した。 ばれたくなくて、手で顔を覆う。 もう片方の手をあげ、返事をした。 くるみが家に入るのを見届けてから、俺は前を向いた。 「あー…くそっ…」 あんなの、誰が予想するかよ。 学校でも見たことねぇぞあの笑顔… 「反則」