「……せ。」 「…ん?何?聞こえない」 小さいけど、しっかり聞き取った“七瀬”。 だけど、もっと呼んでほしくて、俺は意地悪をした。 「な…なせ。」 「んー?」 「〜〜〜七瀬っ!!!」 やけくそになったのか、最後はでっかく七瀬と叫んだ。 あーあ、こんな姿も可愛いとか、反則。 抱きしめたくなる。 「よくできました、くるみ。」 “くるみ”なんて、心の中でも呼んだことないから、内心俺の心臓はバクバクだ。