よく気がついたなと自分でも思う。

それぐらい小さくて弱々しい鳴き声だった。


「…ねこ?」


あたりを見回してもそれらしき段ボールは見つからない。

こういうのは一匹狼の不良が見つけるもんだろう。

なんで普通を絵に描いたような俺が。

やめやめ。きっと心優しい誰かが拾ってくれるさ。

俺はそれより風呂に浸かりたいんだ。

そう言って若干の罪悪感を押さえつける。

もう一度鞄を頭に乗せ、一歩踏み出したとき




「ニ゛ャー!!!!」