「何この暑さっ…!暑過ぎる‼︎」


外には太陽が眩しすぎるくらい光っていて

陽炎が揺らめいていた


私は剣道場の近くにある自動販売機へと向かっていた


もちろん、ジュースを買うために


だから、服装は試合で着た袴姿のまんまだった

「ピッ♪ピッ♪ガッシャン!」


ジュースが落ちた場所へと手を伸ばし

ジュースを開けて飲もうとした


その時だった…


いきなり視界が真っ暗になり、体には力が入らなくなってしまい


私はその場に倒れこんでしまった


きっと、こんな暑い中袴を着ながら外に出たからだろう


薄れてゆく意識の中で思った


”私、死んじゃうのかな…?”


別に私自身は死んでも構わない


だけど、やっとの事で約束を叶えたのだ


”報告くらいしたかったなぁ…”


意識があるか無いかの時


最後に私が見たのは


懐かしい、あの人の姿だった