( 学校からの帰り道 )

幸弘が弘に話しかける。

「なぁ、弘・・・お前、進路とかどう考えてるんだ?」

「あ?何だ、それ?」

「だから、将来の人生設計だとか・・・」

「何だよ。

三者面談に出たからって急に親父ヅラすんじゃねぇよ!

俺の将来は俺が決める!

お前がゴチャゴチャ言うな!バカヤロー!!」

そう言うと走り去る弘。

顔を見合せた幸弘と幸。

一緒に首を振りため息をついて歩く。

幸弘がつぶやく。

「『親父ヅラ』か・・・」

「親父なんだから、当たり前じゃない。ねぇ、パパ?」

寂しそうな幸弘を見て、幸が腕を組む。

そっとほどく幸弘。手をつなぐ幸。解く幸弘。

ほっぺたを膨らました幸、

助走を付け幸弘の背中にオンブ状態に飛び乗る。

「な、何してるんだよ!?」

「『仲良し親子』のスキンシップ!」


「お、親子プレイにしか見えないよ!降りなさい。早く!こら!」

「ヤダ!降りない!パパの背中がいいの!ギューッ!!」

幸はますますきつく両手両足でしがみ付く。

大騒ぎをする二人。

けげんな顔で見て行く通行人達。

幸を背負った幸弘は全速力で走り去る。