( マンションのリビング )

 幸がソファに座っている幸弘の所へプリントを持って来る。

「パパ、これ。」

「ん?」

見ると三者面談のお知らせである。

「あぁ、三者面談か・・・」

「来てくれる?」

「あぁ、勿論行くよ。弘は?あいつ何も言って来ないぞ。弘ー!」

弘が自室からのっそり出て来た。

「何だよ?」

「お前、三者面談有るんじゃないのか?」

弘は(しまった、ばれたか?という表情で)

「あぁ、有った・・・かな?無理して来なくて良いよ。」

「バカ言うなよ。大事な三者面談、行くに決まってるだろ。」

( 学校の廊下 )

教室に向かうスーツ姿の幸弘。

すれ違う生徒、親が不思議そうに見て行く。

教室で先生と向き合う幸弘、幸、弘。

女性の先生が成績表を見ながら話し出す。

「で、お兄さん。」

「・・・父親ですけど・・・」

先生はビックリして書類を見直す。

「お、お父さん?・・・あぁ、お父さん・・・失礼しました。

幸さんは問題無いんですよ。

成績も良いから希望校受験も大丈夫だと思います。」

幸、ニコニコ顔で幸弘と顔を見合わせる。

「ただ、弘君が・・・」

「え?弘が何か?」

「??・・・新田君、お父さんに先生の手紙を見せてないわね?!」

弘、うつむいて小さくうなずく。